2013年04月22日 of nou style

米作り日誌/2013年4月22日

いよいよ始動


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久々の日誌です。

いよいよ米作りが本格始動しました。

うちの猫「さくら」も気合いの入った表情を見せています。

今月末に植えるコシヒカリ、来月半ばに植えるヒノヒカリ、そして来月終わりに植えるヒノヒカリ、備前雄町の準備がそれぞれ始まっています。

それらをまとめて説明させてもらいます。




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まずは大事な大事な苗作り。

苗作りは、良い種籾の選別→消毒→浸種→芽出し→種まき→育苗、といった流れ。

まずは種籾の選別。うちではやっているのは塩水選と呼ばれる方法で、比重1.13の塩水に漬けこんだ種籾のうち、沈んだものだけを種籾として選抜。

これは発芽する力が十分あるものを選抜し、なおかつ病気にやられた籾を除去する目的で行うので、作業は丁寧に丁寧に。


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塩水がついたままだと芽が出なくなるため、ていねいにジャブジャブ水洗い。

昔、これを怠って大変なことになったと祖母がポロリ。


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続いて消毒。二種類の農薬を混ぜ混ぜし、水を切った種籾をそこに漬けこんでやります。

このまま約一日放置し、その後は約一日陰干し。農薬を種籾に付着させたら次の作業へ。

消毒方法の一つに湯で行うものがありますが、うちでは導入してません。


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続いて浸種。種籾に水分を吸わせ発芽の準備をさせる作業。

一般的には、温度×日数で表す積算温度が100℃に達すると芽が出始めるとのこと。10℃なら10日、20℃なら5日という感じ。

が、去年の様子ではヒノヒカリは100℃以上必要な気がしたので、今年はきちんと必要な積算温度を計算してみようかとデジタル温度計を設置。

結果、やはり積算温度100℃以上必要だったことが判明。


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続いて催芽。浸種で発芽の準備が整った籾を、発芽に適した温度の水につけることで
一斉に発芽させるための作業。水温を一定に保つことのできる催芽器を使用。

今年は去年よりも浸種を長めにしたため、この催芽器につけておく時間を少し短めに。

少しだけ芽が出た状態になったところで、催芽器から出し、脱水機へ。水分がある程度とれたら、あとは種まきを待つのみ。


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いよいよ種まき。

まずはあらかじめ土を入れておいた長方形の箱に水まき。それから手動の播種機を使い、種をまいて、土をかぶせて終了。

今回の種まきは230箱。健康な苗を作る目的で、一箱当たりの種籾の量を去年よりも少なめに。


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種まきしたあとは、箱を畑に並べ、保温と乾燥防止のためビニールでトンネルを作る作業。

通常は育苗器と呼ばれる機械を使い、発芽に適した温度で芽を出してやるのが一般的だが、うちでは人為的に加温せずに出芽。

そのためトンネル内の温度が外気温に左右されやすく、高温になりすぎたり低温になりすぎたりと、とても気を使う毎日。

機械で芽を出す方が短期間でしかも芽がそろって出るからいいと言われたり、一方で機械を使わない方が厳しい環境で芽が出るため強く良い苗になると言われたり、実際のところはどちらで芽出しした苗質が優れているかよく分かりません。

個人的には塩水選から芽出し作業、そして種まきを丁寧に行い、種籾がそろって発芽できるように準備を整えてやり、外の厳しい環境で発芽させた方がいい苗が出来るんじゃないかなぁ…、出来てほしいなぁと思ってます。



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そんなこんなで外気温の影響をモロに受けるこの方法ですが、うちでは寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれるもので温度をコントロール。

日が出てきてトンネル内が30℃を超えるようになると寒冷紗をかけて温度を下げてやり、夜は保温資材としてそのままかけた状態。

朝日が出てくると温度を少しでも早く上げてやるため、寒冷紗を取り除く。

こんな感じで多少は温度コントロールすることができるという寸法。

日中はなかなか思ったとおりの温度に持って行けているが、夜は寒い日が続いており、気温が下がりすぎてあまりよろしくない状況。

今は育苗4日目。あと1~2日くらいで芽が出るかなぁと思ってるところです。