米作り日誌/2013年6月26日
雨
雨。
今日は水の管理も田んぼの中の草取りも一休み。
コシヒカリの方は、一週間前から水を抜いて「中干し」を行っています。
が、くもったり雨が降ったりの天気なので、思うように水が抜けてくれません。
もうそろそろ梅雨が明けてほしいなと思う今日この頃です。
今日は中干しについて少々…いえ、長々と。
中干しとはその名のとおり、田の水を抜き干してやること。
一般的には中干しをするように言われていますが、中干しをしない農家の方もいるようです。
特に熱心な農家の人の一部にみうけられます。
言い分としてはこんな感じです。
【一般的に言われている中干しの意義】
1.茎が増えすぎる(過剰分げつ)のを防ぐ。
→水がない状態だと栄養の吸収が抑えられるため
2.酸素を根に送る。
→根にとって酸素はとっても大事
3.土を固め、機械での刈り取り作業しやすくする。
→中干し後水を入れるが、一度田を固くしておくと最後落水した時に田を固くしやすい
【中干しをしない農家の意見】
1.過剰分げつを中干しで無理矢理抑えるのはナンセンス。イネの生理に負担をかけている。植える本数や植える密度、肥料のやり方などで、過剰分げつしないような生育に持っていく方がよい。
2.そもそも酸素は葉っぱから根に送られる。水をためていても根が酸素不足にならないのはそのため。中干しで酸素を送るのではなく、葉から根に酸素を送る通気組織を大きくし、送れる酸素量を増やすようにもっていくべき。
3.中干しをしなくても落水時にきちんと排水してやれば、田を機械が入れるくらいの固さにすることはできる。
4.中干しをすると田にヒビが入り、根が切れてしまう。
うーん、なるほど。
1に関しては、中干しをしない理由に賛成。
中干しするまでにジャンジャン茎を増やさせて、はいそこでストップといった感じで無理矢理生長を抑えるのはイネに負担をかける気がします。
茎が増えることを分げつと言いますが、分げつした茎の全てに穂がつくというわけではありません。
分げつした茎のうち、いくらかは穂がつかずに枯れていきます。
つまり枯れていく運命の茎に費やす栄養は無駄になってしまうというわけです。
過剰分げつを抑えることは、無駄な栄養を使わず、その栄養を穂がつく茎にまわせるってことにつながります。
と言うわけで、過剰分げつを抑えるという意味では、中干しでやろうが植えつけ本数や密度、肥料なんかでやろうが同じかもしれませんが、イネに余計な負担を与えずにイネの生長をスムーズに行うという意味では、後者の方がよいと考えています。
2に関しては中干しする理由に賛成。
たしかに通気組織を大きくすればある程度カバーできると思いますが、中干しをした時程の酸素を送り込めないと言われています。
さらに水を張っている状態と、水の水位が地下にまで下がった場合(田の表面には水がなくて地下十数センチに水があるような状態)を比べると根の伸び方が全く異なります。
水が張っている状態だと根は横方向に伸びるイメージ。一方で水位が下がった状態だと根は縦方向に伸びるイメージです。水を追い求めて伸びるのでしょうか?
実は縦に伸びる根の方が生長がよいというデータがあります。
ただし、中干しをすると通気組織が小さくなり、葉から送られる酸素の量が少なくなってしまうというデメリットも。
この状態で水を常時ためると酸素不足で根腐れする可能性があります。
そのため、中干しをするなら、その後の水管理がとても重要になってきます。
ということから、水管理をきちんとすれば、中干しをした方がイネにとってはよいのではと考えています。
3はどっちもどっちという感じ。
こちらはイネの生長ではなく人の作業性の問題。
作業性ばかりに気を取られ、乾かしすぎると田に大きなヒビが入り、4のように根が切れてしまうことも。
そのため、刈取時の作業性を考えて、ある程度は固くする必要があると思いますが、大きなヒビが入るほど乾かすのはよくないなと思っています。
この乾かす程度は、根に送られる酸素の量とも関係し、田の土の種類(砂質か粘土質かなど)によってかえる必要があります。
その他にも、中干しで環境変化をさせることで、自分自身が大きくなる生長から子孫を残す生長にスムーズに変化させることができるとも言われています。
一方で、田に酸素がない状態(田に水を張っている状態。還元状態)から田に酸素がある状態(田から水を抜いた状態。酸化状態)に環境が劇的に変化することで、イネに悪いストレスを与えてしまうとも言われています。
そんなこんなで、いろいろとあーだこーだ言われていますが、結論としては今のところ中干しすることに賛成です。
ただし、中干しをする理由は根の健全な成長を促すことが第一だと考えています。
そこを踏まえたうえで中干しや、その後の水の管理をやっています。
なかなかの長文になってしまいました…。
最後にツバメ情報。
ツバメは現在6位。一方、カープは3位で健闘中…
ではなく、
先週はこんなに小さかったツバメのひなですが、もうすでに巣立済み。
とは言っても、時々電線の上で親鳥からエサをもらっています(笑)
猫の鋭い視線にさらされながらもスクスクと育ってきたツバメたち。
これから一人前に向けて猛特訓といったところでしょうか?