米作り日誌/2017年7月27日
米作り2017
今年も米作りが始まってマス。 ナス作りも始まってマス。
今年はここまで苦労しました。
米作りで一番忙しい時期は、田植え前の1、2ヶ月。朝から晩まで毎日、天気に関係なくドタバタしてます。
そんな中、今年はイノシシがあちこちに出没し田の畔にイタズラをする始末。
ヤツの狙いは土の中にいるミミズ。
大きなイノシシがやって来ると
「ここで何か爆発したのか?!」
と大げさに思ってしまうくらい、土を掘り返して畔を凸凹にしてしまいます。
ただでさえ余裕のない中、水が漏れないよう畔を直してまわり、直したと思えばまた壊されることも…
今年ほどイノシシを恨めしく思った年はありません。
ノーモア イノシシ
ノーモア 凸凹
こちらは、イネの種をまく機械、播種機。
土 → 水 → 種籾 → 土
この順番で育苗箱にまいていきます。
水はこんな感じでまいてやります。
うちは井戸水で水圧が一定でないので、一度バケツに受けた水を小型のポンプで吸い上げることで、水圧のムラをなくしてます。
この水加減が結構大事で、薄い水の層が出来たところに種籾が落ちることで、播種精度を高めています。
(水の層がないと種籾が跳ねて動いてしまうので)
数日すると芽が出てきます。
ここでは温度・水分管理が特に肝。
最初に開く葉の位置が高くなりすぎないように、温度や湿度に特に注意します。
ここで高温多湿にさらしすぎると、苗の腰が高くなり、上へ上へ伸びようとする徒長癖がついてしまいます。
イネを植えるとき、イネが田んぼの水に完全に浸かってしまわないよう15cm以上の背の高い苗が好まれることが多々あります(稚苗で)。
が、そんな苗はたいてい根の張りが悪く、ヒョロヒョロで軟弱な場合が多いので、個人的にはいい苗とは言えないなと思ってマス。
そんな思いから、これまでも背が低く、根の張りがよく、茎の太いしっかりとした苗づくりを目指してきましたが、今年は育苗に対する意識をガラッと変えたところがあります。
それは育苗前半と後半の育苗方法(特に水やり)の考え方です。
本によると、最初の葉が完全に開くまでは、しっかり保温と保湿をしましょうと言われることが多いのですが、その言わんとすることは、根の発達が未熟な時期に低温や乾燥にあたると生育障害を起こしたり、生育のムラにつながるということだと理解してマス。
これまではこの考え方により、高温には注意をしながらも初めはどちらかと言うと苗を保護してやり、ある程度したら厳しく育てるというイメージでした。
しかし今年は、初めからある程度厳しくし、後半は厳しさと優しさ?を織り交ぜてみました。
米作りで一番大事なのは「根の管理」だと思います。
芽が出てから水を最初にまく時期が早すぎると、根は「ここには水がいっぱいあるな、ラッキー」と甘ちゃんな根になってしまいます。
これが水をギリギリまでやらずにいると、「あれ?大変だ!ここは水が少ないじゃないか!」と厳しい環境で強い根が出てきます。
後半になると狭い育苗箱の中でギシギシに詰まった根は前半のように伸び伸びと成長することはできず、むしろ衰えていく方向に向かいます。この時期に水を制限し厳しくし過ぎるとかえって根に負担をかけてしまうんではと思ってマス。
と言うことで、一歩間違えれば生育障害を起こすリスクはありますが、本来保護してやるべき時期にあえて厳しさを持って育て、後半は厳しさの中でも根に負担を与えないよう優しさをもって育ててやるようにしてみました。
まだまだ課題はありますが、現在の育苗方式に限っては少しずつ成熟に向かいつつあるように手ごたえを感じています。