米作り日誌/2014年6月15日
溝切り
こちらはコシヒカリ。
よく見ると、まん中に縦に溝が出来ているのが分かります。
実は今年は溝切り機なるものを購入。
田の表面に溝を掘り、水の排水や給水をスムーズに行うことが目的。
小さなエンジンで車輪を回し、取り付けられた金属の部分で溝を掘っていくというもの。
見た目は簡単そうに見えるが、これが結構な重労働…。
地味に重い溝切り機、ぬかるむ足元…、足と手がパンパンです。
そんな時癒してくれたのは、近くの小学校から聞こえてくる金管楽器の音色。
何かの練習中なのでしょうか。
テッテレテー♪ テーテッテー♪
何度も流れるルパン三世の曲。
泥んこになりながらリズミカルに溝切り作業、明日はきっと筋肉痛です。
こちらも先程のコシヒカリ。
今の時期は穂が出る40日ほど前。
これからの水管理でイネの出来の良し悪しが決まるので、ここからが水管理の本番。
この時期に出る根はこれまで以上に長く伸び、登熟に大きな影響を与える根。
この根に最後までしっかり働いてもらうため、根を地下深くに伸ばしたいなと思ってます。
そこでまずは中干し。
農協などの指導では生育抑制を第一の目的として薦められている中干し。
そのため茎数を確保したらただちに中干しをして下さい、と言われます。
つまり、中干しをして窒素の養分供給をストップさせないと茎がどんどん増えて茎数過剰になってしまいますよ、ということ。
しかし、本来は茎数過剰にならないよう植付本数や栽植密度、施肥量などで調整していくべきなんじゃないかなと思ってます。
個人的には、中干しの大事な目的は中干し以降に伸びてくる根を地下深く伸ばしてやることなんじゃないかなと考えています。
そこで、中干しのタイミングは葉の出具合で行っています。
定期的な生育調査で、今何枚目の葉が出ているのかをチェックしています。
葉と根の出方には密接な関連性があるため、伸ばしたい根がいつ頃出るかを葉の枚数から予測し、そのタイミングで中干しに切り替えます。
根を地下深くに伸ばすためには、田に水が十分ある状態よりは、少し少ない状態の方が伸びやすいことが分かっています。
水を追って根を深く深く伸ばすといったところでしょうか。
しかし、中干し後、穂が出るまでの期間は特に水が必要な時期になります。
イネに必要な水分を供給しつつも、無駄な水が田に残らないようにする。
この絶妙な水管理を行うために、先程の溝切りを行ったというわけです。
はてさて、うまくいってくれるのでしょうか。
これからが楽しみです。