米作り日誌/2015年8月18日
夏
昼間は暑いですが、夜の気温は20度前後と過ごしやすい日が続いています。
この寒暖差がイネにはグッド。
今回も久々の更新なので、これまでの経過を少し。
7月12日の雄町。
田植えから1ヶ月と少し経過したところ。
この時期は中干しと言って田を乾かしています。
これまでの水がある状態から、水がない状態へ。
土の中は酸素がない還元状態から、酸素がある酸化状態へと大きく環境が変化します。
この環境変化がイネへ恩恵をもたらしたり、逆に負担をかけたりします。
うちの雄町の中干しに対する考え方はこんな感じです。
①中干を生育調整(茎数抑制など)の手段として考えない
②土が粘土質なため、ひび割れを作って水(酸素)の縦浸透を促進する
③刈り取り時に機械が入りやすいように、少し土を固くしておく
④登熟時に活躍する根に負荷をかけないよう、中干しの時期は田植え後約1か月を目安に行う
少し補足すると、
この時期生えてくる(いる)根は、登熟中に根としての役目を終えてしまうため、中干しで負担を強いても登熟に比較的影響が小さいものと考えてます。
出穂前40日頃から生える根は、登熟後半までジャンジャンバリバリ働いてもらう大事な根で、中干しによる負担はかけたくないので、その頃までには中干しを終えるようにしてます。
水の縦浸透も根に酸素を送り、根を健康に保つために必要なことです。
こんな感じで、基本的には根を中心に考えます。
とは言え、根は引っこ抜かない限り見えないので、健康な根かどうか判断するのは、なかなか難しい…
あんまり根がダメージを受けると葉に何らかのサインが出るのは出ますが…
こちらも同じ時期の雄町。
イネに詳しい方に来ていただいた時、一株引っこ抜いたもの。
根はしっかり生えていて問題ないとのこと。
左の方の根が生えていない茎はこれから枯れていく運命にあります。
(抜くときに根を切ってしまったものもありますが…)
アップでドン。
このまま水に浸けていると、少し形態の違った根が出てきます。
やはり、水が豊富にある状態とそうでない状態とでは根の性質が違ってくるようです。
いわゆる水根と畑根と言われるやつです。
中干し以降の根をどちらの根に持っていくかで、それからの水の管理が大きく変わってきます。
8月8日の雄町。
この時期は穂のもとになる幼穂が成長中。
幼穂の伸長具合と葉色を観察しながら、穂肥の量やタイミングを決めていきます。
もう数日で穂肥をやるかなぁといったところです。
思ったより葉色が落ちなかったので、実際には14日にまきました。